ランドバンキングの基礎知識

ランドバンキングの基礎知識

ここでは、日本であまりなじみのないランドバンキングについて、その仕組みやさまざまな事例などランドバンキングの基礎について解説します。

 

ランドバンキングとは

ph_basic1ランドバンキングとよばれる投資手法は、その名の通り、土地に投資をすることです。特に、未開発の土地に投資をするもののことをいうケースが多いようです。

これから開発される不動産への投資は、都市計画や街づくりといった社会的なインフラ整備を支援するという意味も多分に含まれるため、特に欧米の投資家の間で非常に盛んになってきています。

日本でも数社が先陣をきって営業活動を行っていますが、まだ欧米ほどではないのが現状です。カナダの広大な土地を開拓するために、テキサスの砂漠を開発するために、などスケールの大きな案件も多く、それでいて日本円で100万円程度から投資可能なため、投資対象として評価する人も増えています。

利回りも5年程度で倍になるものが通常のようで、商品価値は高く、10年後、20年後に自分の投資した土地が開発され、小学校ができたりスーパーができたりと考えることができるのも、ランドバンキングが指示される理由のひとつになっています。

 

投資的な側面

投資的な側面から見ると、ランドバンキングというのは開発目論見の土地を購入して不動産値上がり益を狙う、というごく単純なものです。

日本においても、森ビルなどは広くみればこの手法で企業価値を高めてきたとも言えるでしょう。

未造成の段階で土地を購入することに違和感を感じてしまうのは日本人の特性かもしれませんが、その社会性を考え、資産のポートフォリオを考えた場合に、ランドバンキングのような手法や考え方が日本の金融商品として根付いてくるのは時間の問題ではないでしょうか。

 

ウォルトン・ジャパン

ランドバンキングで有名な会社のひとつにウォルトン・ジャパンという会社があります。

日本では大々的に展開しているわけではありませんが、会計事務所などにエージェントがかなりいるようです。

セミナーなども年間数回開かれており、参加人数も回数を重ねるごとに増えているようです。

ちなみに、ウォルトンのマーケティングを担当している女性は、ウォルトンでランドバンキングの商品を買って一度成功した経験があるらしく、彼女の話には非常に説得力があります。彼女を話を聞いて、ランドバンキングに関心を深める参加者も多いそうです。

分散投資の時代には、ランドバンキングの社会性を評価するセミナー参加者も多いようです。

 

ウォルト・ディズニー

ph_basic2広い視野で見れば、ウォルト・ディスニーもランドバンキングを活用した、と言える側面があります。

ウォルト・ディズニーのビジネスモデルは、未開拓の土地(ロサンゼルス、フロリダ、浦安など)に、ディズニーというブランド・ライセンスビジネスを掛け算していくものです。

よくよく振り返ってみれば、アメリカの西部開拓史などは、ランドバンキング開拓史と同義と言えるかもしれません。

歴史は事実であり、事実には形があります。そして形あるものに人間は果てしない魅力を感じるのではないでしょうか。

現在のランドバンキング投資が、200年後に西部開拓史のように語り継がれることがあれば、それもまたスケールの大きい夢のある話ですね。そんなロマンがランドバンキングをこれからもますます発展させるのだと思います。

 

ランドバンキングを活用してビジネスを拡大した人物

ph_basic3トランプタワーを所有するドナルド・トランプ氏、デビッド・ロックフェラー氏、リチャード・ブランソン氏、ハワード・ヒューズ氏など、ランドバンキングと呼ばれる手法を活用してビジネスを拡大してきた人は枚挙にいとまがありません。

それもそのはずで、土地というものは上手に活用すれば生産性が高いものだからです。

一方でこんな話もあります。

今のマンハッタン島に住んでいた先住民族が、オランダ人に24ドル相当の金銀宝飾でマンハッタン島を譲ったそうです。当時の24ドルをお金で運用していたら、今のマンハンタン島の不動産価値の何百倍もの金融資産になっていますが、今のマンハッタンはありえません。

お金はお金で運用するのが最も増えますが、そこには社会性を伴わないケースが多いです。むしろランドバンキングのように社会インフラを作るための投資のほうが、人類の発展や文化創造に寄与すると考えられます。

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